Kling 4.0 が登場、AI ショートドラマは1年で43万本:国産 AI 動画は今回何でカーブを追い越すのか

9月28日、Kuaishou(快手)傘下のKling AIが公式アカウントで一件の投稿を出した。Kling 4.0が10月に正式リリースされ、軽量版のFlashはすでに年間契約ユーザー向けにクローズドベータを開始したという。短い告知だったが、コメント欄は大いに盛り上がった。この1年、国産AI動画のこの領域は「生成できるか」から「納品できるか」へと走ってきた。Klingが今回アップデートしたパラメータのいくつかは、まさに人々が本当に頭を悩ませている点を突いている。
まず数字から見よう。Flash版は720p出力、1クリップ3~20秒。正式版は1クリップ最大30秒まで伸ばせ、最高4K、今後10bit HDRにも対応する予定だ。アスペクト比は21:9から9:16まで対応する。だが、これらが最も重要な点ではない。プロダクト動画を作る人にとって最も怖いのは画質不足ではなく、「変更できないこと」だ。クライアントがメイン画像の角度を変えてと言えば、丸ごと作り直しになり、顔も色調も全部変わってしまう。Kling 4.0が今回推すのは、まさに「作り直し」を「編集」に変えることだ。
1つ目はローカル編集。すでに生成した動画の表情、動作、カメラワーク、スタイル、背景のうち1項目だけを変更し、他はそのまま維持できる。入力できる動画は最大5本。これはQwen-Image 2.1が画像生成側で行っているローカル編集と同じ発想で、それを動画に移しただけだ。2つ目はキーフレーム。画像から動画を生成する際に最大10枚のキーフレーム画像を入れられ、メイン画像、使用シーン、パッケージのクローズアップをそれぞれ1枚固定し、間の動きはモデルに任せる。業界関係者の言葉を借りれば、キーフレームは絵コンテそのものだ。クレジットを消費する前にクライアントに確認してもらえるので、手戻りは自然と減る。3つ目はOmni Reference。1回につき最大15の入力が可能で、画像、動画、人の声を混在させ、プロンプト内で@image1、@video1を使ってそれぞれの用途を指定する。
価格にも一言触れておきたい。年払いに換算すると、入門プランは月21ドル、180クレジット、動画1本あたり約1.9ドル。上位プランは90ドルで、1本あたり約1.1ドル。すべてのプランでウォーターマークなし、完成品をそのまま納品できる。この価格設定は海外市場を意識したものだ。GoogleのVeo 3.1は標準プランで1秒0.4ドル、AlibabaのWan 3.0は1秒0.05~0.2ドル。国産モデルが価格で市場を獲りにいっているのは、もはや公然の事実だ。
Kling 4.0の背後には、AIショートドラマとマンガドラマ(漫劇)の爆発的な成長曲線がある。新華社は次のようなデータを報じた。2026年の最初の8か月で配信されたマイクロショートドラマは43万本に達し、前年通年の13倍。うちAIドラマの割合は9割を超える。DataEyeのレポートでは、AIマンガドラマがトップ100ランキングに占める割合は、2025年同期の7%から38%へと上昇した。コストの比較が分かりやすい。実写ショートドラマは1話あたり制作費5万~10万元、制作期間2~4週間。AIが入ると1話あたりのコストは5000元以内に下がり、期間も3~7日に短縮される。
この波の中で最も興味深い現象は、「実写風ドラマ(仿真人劇)」の流行だ。2026年1月に配信された『斬仙台 真人AI版』はDouyinで再生回数1.1億を突破し、『風水天師』は紅果での熱度が4000万以上、すでにシーズン6まで更新されている。9月30日の紅果人気ランキング上位5本のうち、4本が実写風ドラマで、実写撮影はわずか1本だけだった。コメント欄で最も広く共有された一言はこれだ。「実写俳優は不細工さが千差万別、AIは美しさが千篇一律」。

この言葉は褒め言葉であり、同時に罵倒でもある。AIドラマがランキングを席巻する一方で、「AI顔」に対する生理的な嫌悪感もトレンド入りした。あるネットユーザーがスクリーンショットを比較し、別々のドラマの男性主人公がほとんど同じ顔だと指摘した。同じ輪郭、同じ髪型、前髪まで揃ってセンター分けだ。技術的な説明はこうだ。動画生成ではフレームごとに顔の一貫性を保つ必要があり、左右対称で整った欠点のない顔はカメラが切り替わる際の許容度が最も高い。だからモデルは「安全な」標準顔を優先的に出力する。さらに多くのチームがヒットテンプレートをそのまま流用し、公共のデジタル顔データベースを一括で呼び出すため、同質化はさらに加速する。人民日報は6月末に『AI顔に飽きた?「生きた人間感」が戻ってくるべきだ』という記事を掲載した。その核心は、技術で予算と期間を圧縮するのはいいが、パイプラインの生産能力で芸術性や人文性を置き換えてはならない、というものだ。中国ネットワーク視聴協会も『AIマイクロショートドラマ コンテンツ品質評価基準』の策定を主導しており、キャラクターの識別度を独立した評価項目としている。
つまり国産AI動画の今回の「カーブでの追い越し」は、本質的にどこか一社の技術的奇跡ではなく、産業チェーン全体の形成にある。モデル側ではKling、即夢(Jimeng)、海螺(Hailuo)、Viduがそれぞれポジションを占め、ワークフロー側では豆包(Doubao)Skillや剪映(Jianying)AIモーションエフェクトのようなツールが参入障壁をスマホレベルまで下げ、下流ではDouyinや紅果といったプラットフォームがトラフィックプールでAIコンテンツを支援している。AIマンガドラマ1本は、脚本から初回編集まで、熟練チームなら数日から数時間に短縮できる。かつては映像制作チーム全体が必要だったことが、今ではスマホ1台と無料ツールで手が届くところまで来ている。
しかし、参入障壁が低いほど、あの古い問題は鋭くなる。誰もが1日に1本ドラマを生み出せるようになったとき、視聴者は一体なぜあなたの作品を見るのか。同質化は技術ボーナス期の副作用であり、次の淘汰戦のシグナルでもある。すでにキャラクターの識別度や差別化された語りに取り組み始め、AIを身代わりではなくツールとして使うチームだけが、「千篇一律」から抜け出せる。Kling 4.0のローカル編集とキーフレームは、まさに細かい仕事をしたい人に、より使いやすいツール一式を提供する。あとは、やはり人次第だ。